生活習慣について

寝不足な日の効率性を上げる方法は「よく寝た」と頭の中で思い込むこと

一日が終わりクタクタで布団に入ってみたものの、ささいなことが気になって眠れなくなってしまい、ネットでぐっすり眠るための方法などを調べているうちに余計に眠れなくなってしまった……という経験をしたことがある人も多いと思います。そんな次の日の朝は寝不足で日中の仕事や勉強がなかなか手に付かなくなってしまうものですが、こういった時には頭の中で「よく寝た」と思い込むことでパフォーマンスが向上するようです。

コロラド大学の研究員が「十分に眠った」と人に思い込ませるとどのような効果が得られるかをテストした結果をJournal of Experimental Psychologyの中で発表しました。この研究はプラシーボ効果から名前を取って「プラシーボ睡眠」と研究者たちから呼ばれており、研究結果によると、「十分に眠っていない」という意識は日中のパフォーマンスを低下させる一因になり、もしも快適に1日を過ごしたいならば睡眠不足であってもそれを完全に忘れてしまうのが良い、とのことです。

この研究結果はどのようなプロセスにより導き出されたものなのでしょうか。

◆実験方法
この研究ではまず始めに被験者に昨夜どれくらい深い睡眠をとったのかを1から10で示してもらいます。次に研究者が約5分間の「睡眠が認知機能に与える効果」についてのレッスンを行い、このレッスンは研究を行う上で必要な知識であると伝えておきます。

そしてレッスン中には「大人は睡眠時間の20~25%がレム睡眠であり、これよりもレム睡眠の割合が少ない場合学習テストなどで低いパフォーマンスになってしまい、反対に睡眠時間の25%以上をレム睡眠で過ごした場合にはテストで良い成績を収められるだろう」という虚偽の情報も与えたとのこと。

その後、被験者に脈拍・心拍数・脳波などを計測するための装置をつなぎ「この装置で昨夜君がどれくらいのレム睡眠を取ったか計測します」と伝えます。しかし、実際には被験者の脳波のみ測定したそうです。

そして被験者1人1人に16.2%から28.7%のレム睡眠を取ったと嘘のレム睡眠時間を伝えてテストを実施。テストの内容は、睡眠不足に最も関連性のある聴覚と処理速度のテスト。また、実験結果の偏りを抑えるために、これらの実験を複数人の被験者に対して繰り返し行ったとのこと。

◆実験結果
実験の結果、平均以上のレム睡眠時間を取ったと伝えられた被験者(レム睡眠の割合が25%以上の被験者)はテストで良い結果を残し、平均以下のレム睡眠時間(レム睡眠の割合が20%未満の被験者)しか取れていないと伝えられた被験者たちはテストで平均以下のパフォーマンスしか発揮できませんでした。

この研究結果から、「よく寝た」と心の中で思い込むことにより、寝不足な脳でもパフォーマンスを向上させることができると分かりました。これは反対に言えば、「2時間しか寝てないわ~」といった寝てないアピールばかりしているとその人のパフォーマンスが低下するだろうということも示唆しているので、過剰な寝てないアピールには注意が必要です。

■投稿者情報
芝皮フ科クリニック 院長
須階 富士雄

東京慈恵会医科大学皮膚科を経て町田市民病院勤務
1993年 プラクリティ皮膚研究所開設
1996年 芝皮フ科クリニック開院
専門:アトピー性皮膚炎 レーザー治療
- 日本皮膚科学会会員、日本温泉気候物理医学会会員

芝皮フ科クリニックには、様々な患者さんが来院しますが、何といっても多いのがアトピー性皮膚炎の方です。現場医療に携わる人間として、是非治してあげたい!
苦しみから一時も早く解放してあげたい!という強い気持ちから研究を重ね、たどり着いた改善法は「肌を強く育てること」。
薬で痒みを抑えるだけではなく、天然成分を使用した保湿クリームでアトピーを改善する「ATP-C・U・Eゲル」の開発に成功しました。
即効性の点ではステロイドに劣るものの、肌が生まれ変わるサイクルを整え、掻いても傷にならない強い皮膚を目指します。

連絡先電話番号:0120-419-034
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