食事について

何を食べたいと思うかは胃腸の中のバクテリアが影響を与えているという研究報告

「今日は無性にピザが食べたい」など理由もなく食欲がわき上がることが誰にでもありますが、それはもしかするとバクテリアのせいかもしれません。

Is eating behavior manipulated by the gastrointestinal microbiota? Evolutionary pressures and potential mechanisms – Alcock – 2014 – BioEssays – Wiley Online Library

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/bies.201400071/abstract

Your Gut Bacteria Want You to Eat a Cupcake – The Atlantic

http://www.theatlantic.com/health/archive/2014/08/your-gut-bacteria-want-you-to-eat-a-cupcake/378702/

人間の消化器官には1万種以上のバクテリアが生息しており、バクテリアは人間が摂取した食べ物からエネルギーをゲットして生きています。また、人間に寄生しているバクテリアはエネルギーを与えてもらうのと引き替えに、消化を助けたり、悪性のバクテリアを退治したりしてホスト(人間)の体調を整えてくれることも知られています。普段はバクテリアの存在を意識することはありませんが、人間とバクテリアは持ちつ持たれつの関係を保っているというわけです。
人間にとってありがたい存在のバクテリアですが、人間の体調を管理してくれることを超えて、人間の食べ物の選択をも管理している可能性を、カリフォルニア大学のカルロ・C・マーレイ教授らの研究グループが発表した論文で指摘しています。

マーレイ博士たちの研究によると、腸内のバクテリアは熾烈な生存競争をしており、生存競争過程で人間の食べ物に対する欲求にも影響を与えているとのこと。具体的には、バクテリアは他の種のバクテリアとの生存競争に勝つために、自分がより成長できる栄養素を摂取するよう人間に働きかけたり、逆にライバル種のバクテリアが欲する栄養素を抑制するよう働きかけたりと、「綱引き」を行っているとしています
この綱引きでは、バクテリアはホストの味覚を感じる味覚受容体を変化させて特定の食品をより美味しく感じさせたり、空腹を誘発するホルモンを出したり、食べ物の摂取を抑制するように迷走神経を操作したりするとのこと。さらに、バクテリアは他の種のバクテリアとの生存競争に打ち勝つために、ホストの健康増進よりも自らの種の繁栄に有利になるように働きかけることさえあると指摘しています。

海苔を消化分解できるのは特別なバクテリアを持つ日本人だけという研究結果はよく知られていますが、食べ物の好みまでバクテリアが大きな影響を与えているようです。

■投稿者情報
芝皮フ科クリニック 院長
須階 富士雄

東京慈恵会医科大学皮膚科を経て町田市民病院勤務
1993年 プラクリティ皮膚研究所開設
1996年 芝皮フ科クリニック開院
専門:アトピー性皮膚炎 レーザー治療
- 日本皮膚科学会会員、日本温泉気候物理医学会会員

芝皮フ科クリニックには、様々な患者さんが来院しますが、何といっても多いのがアトピー性皮膚炎の方です。現場医療に携わる人間として、是非治してあげたい!
苦しみから一時も早く解放してあげたい!という強い気持ちから研究を重ね、たどり着いた改善法は「肌を強く育てること」。
薬で痒みを抑えるだけではなく、天然成分を使用した保湿クリームでアトピーを改善する「ATP-C・U・Eゲル」の開発に成功しました。
即効性の点ではステロイドに劣るものの、肌が生まれ変わるサイクルを整え、掻いても傷にならない強い皮膚を目指します。

連絡先電話番号:0120-419-034
ウェブサイト :http://www.shiba-clinic.com/