スキンケアについて

「まほうのみず」登場も 学校保健室から消える消毒液 「傷の治り悪くする」

西日本新聞 7月9日(木)13時35分配信

消毒液の代わりに登場した「まほうのみず」

学校で転んでけがをしたら、保健室で消毒をしてもらう-。そんな光景がなくなりつつある。外科医の中で主流となっている「傷口は流水で洗い流す。消毒液は使わない」という応急処置法が、教育現場でも浸透してきたからだ。

ただ、家庭では「傷口にはまず消毒液」との認識が根強い。消毒液を使わない小学校では、児童や保護者を安心させるため、さまざまな工夫もなされている。

福岡市博多区のある小学校の保健室を訪れると、処置台に消毒液は一本も置かれていなかった。養護教諭によると、3年ほど前から原則として傷に消毒液を使わなくなったという。

代わりに置かれているのが「まほうのみず」。養護教諭は「流水で洗い流した後に、魔法の水で消毒をするように洗ってあげると、子どもたちは安心する」と話す。中身は、実は普通の水道水だ。低学年の子どもたちのために、半年前から始めた工夫という。
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上皮細胞まで破壊してしまう消毒液

秋本病院(福岡市)の秋本亮一院長によると、消毒は傷の治りを良くする上皮細胞まで破壊してしまう。そのため、外科医の間では傷は消毒をしないことが推奨されている。院長は「けがをしたら消毒ではなく、傷の中に入った異物を除去するため、無菌である水道水で洗浄することが大切だ」と強調する。

林外科医院(福岡県宗像市)の林裕章理事長は10年前から傷口の治療に消毒液は使っていない。「消毒は傷の治りを悪くするということが分かってきて、使われなくなってきている」(林理事長)

ただ、「今まで使ってきて治ってきたんだから消毒をやめる必要はない」と、異議を唱える外科医も一部にいて、外科医界全体として「消毒廃止」を打ち出すには至っていない。
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「赤チン」も消えた

そうした中、文部科学省は保健室での応急処置の仕方を現場の判断に委ねているのが現状だ。九州各県の県庁所在地の教育委員会に消毒液の使用状況を尋ねると、統計データはそろっていなかったが、福岡、長崎、大分の3市の担当者が「消毒液を使わない処置が主流になっている」と回答した。

中高年世代は、けがをしたら、「赤チン」と呼ばれていたマーキュロクロム液で消毒してもらった。だが、赤チンは原料を精製する際の廃液に水銀が含まれていたため、メーカーが製造を中止するようになった。大手消毒薬メーカーの健栄製薬(大阪市)は14年前に、製造を取りやめた。

同製薬の消毒液では今もマキロンやイソジンに一定の需要があるが「消毒液の使用にさまざまな意見が出てきたことから、売り上げは伸びていない」と明かす。近年は消毒液といえばエタノールを含む「手洗い用」で、こちらの需要は拡大し、売り上げを伸ばしている。

保護者の納得進むか

「子どもがけがをしたのに、学校では消毒もしてくれないのか」

福岡県北部にある小学校には、保護者から、そんな苦情が寄せられたという。保護者は自らの経験から「傷には消毒液」という人が少なくない。消毒液を一切使っていない福岡市内のある小学校は、保護者に配布する「ほけんだより」で、消毒液をなぜ使わないのか説明して理解を促した。

福岡市西区の小学校のベテラン養護教諭は、消毒液を使わない応急処置が広がっていることを把握しているが、消毒液を保健室に常備する。その上で「消毒液を使うか使わないか、保護者と児童の意見を聞いて決めている」と話す。

けがを治すにも気持ちが大事。処置内容にまず納得することが大切だからのようだ。

=2015/07/09付 西日本新聞夕刊=
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西日本新聞社

■投稿者情報
芝皮フ科クリニック 院長
須階 富士雄

東京慈恵会医科大学皮膚科を経て町田市民病院勤務
1993年 プラクリティ皮膚研究所開設
1996年 芝皮フ科クリニック開院
専門:アトピー性皮膚炎 レーザー治療
- 日本皮膚科学会会員、日本温泉気候物理医学会会員

芝皮フ科クリニックには、様々な患者さんが来院しますが、何といっても多いのがアトピー性皮膚炎の方です。現場医療に携わる人間として、是非治してあげたい!
苦しみから一時も早く解放してあげたい!という強い気持ちから研究を重ね、たどり着いた改善法は「肌を強く育てること」。
薬で痒みを抑えるだけではなく、天然成分を使用した保湿クリームでアトピーを改善する「ATP-C・U・Eゲル」の開発に成功しました。
即効性の点ではステロイドに劣るものの、肌が生まれ変わるサイクルを整え、掻いても傷にならない強い皮膚を目指します。

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