アトピーについて

幹細胞治療は中等度〜重度アトピー性皮膚炎に対して有望

By Will Boggs MD
ニューヨーク(ロイターヘルス) – ある初期研究の結果によると、ヒト臍帯血由来幹細胞の皮下注射はアトピー性皮膚炎の病像を改善するようである。

「臍帯血幹細胞は、その免疫調節特性に基づき、慢性炎症性疾患の治療に奏効する可能性があることをこの研究は立証したと考える」とC the Catholic University of Korea(ソウル)のcollege of Medicineに所属するDr. Tae-Yoon Kimは述べた。

「さらに、注目すべき重要なポイントは、その免疫調節能力が抑制的なものであるだけでなく、炎症反応やアレルギー反応の軽減ももたらすことができることである」と同氏はロイターヘルスに電子メールにて語った。

慢性的および再発性の皮膚疾患であるアトピー性皮膚炎に対して安全な最適治療はなく、アトピー性皮膚炎の罹患率は小児で20%にのぼり、成人では3〜10%である、とDr. KimらはStem Cells誌6月3日号オンライン版報告に記している。治療の主体はステロイド外用薬と全身性免疫抑制薬であるが、いずれの薬剤も長期毒性を生じる可能性がある。

Dr. Kimのチームは、コルチコステロイド外用薬や全身性免疫抑制薬では十分にコントロールされず、症状を頻回に再発するアトピー性皮膚炎患者34人を対象として、ヒト臍帯血由来幹細胞治療FURESTEM-ADの安全性と治療的有効性を評価した。

ヒト臍帯血由来間葉系幹細胞(hUCB-MSC)投与は、Eczema Area and Severity Index(EASI)スコアを用量依存的に低下させ、12週目、EASIスコアの50%低下が、高用量(5.0×107個)群の55%の患者に認められた。

低用量hUCB-MSC(2.5×107個)の投与はEASIの一過性の低下を生じたのに対して、高用量hUCB-MSC投与は12週目まで持続的かつ漸増的な治療効果を示し、ベースラインからの有意な改善は4週目という早期に認められた。

Investigator’s Global Assessment(IGA)スコアも同様に用量依存的に改善した、と研究者らは言う。

Severity Scoring for Atopic Dermatitis(SCORAD)スコアは用量依存的に一貫して低下し、高用量群において強度スコアは51%、掻痒スコアは58%、不眠スコアは65%、総スコアは50%低下した。

hUCB-MSC投与と、血清総IgE値や血中好酸球数のダウンレギュレーションなど、重要なバイオマーカー値の一貫した低下との関連性が認められた。

重度あるいは重篤な有害事象は発現しなかったが、高用量群の約3分の1の患者が注射部位反応を経験した。

「臍帯血幹細胞は、アトピー性皮膚炎の成因に関与する複数のタイプの免疫細胞に対して多機能作用を有するので、われわれの仮説を証明するには更なるフォローアップ研究が必要である。しかし、アトピー性皮膚炎の治療において、単一細胞、サイトカイン、分子を標的とするモノクローナル抗体などの他の有望な競合薬と比較し、臍帯血幹細胞は長所を有すると思われる」とDr. Kimは述べた。

「われわれの幹細胞治療薬は2018年頃には臨床的に実用化されると期待している」とDr. Kimは述べた。

バイオテクノロジー企業Kanstem Biotechが、本研究に資金を提供し、6人の著者のうちの2人を雇用した。

SOURCE: http://bit.ly/28Jm7IV
Stem Cells 2016.

■投稿者情報
芝皮フ科クリニック 院長
須階 富士雄

東京慈恵会医科大学皮膚科を経て町田市民病院勤務
1993年 プラクリティ皮膚研究所開設
1996年 芝皮フ科クリニック開院
専門:アトピー性皮膚炎 レーザー治療
- 日本皮膚科学会会員、日本温泉気候物理医学会会員

芝皮フ科クリニックには、様々な患者さんが来院しますが、何といっても多いのがアトピー性皮膚炎の方です。現場医療に携わる人間として、是非治してあげたい!
苦しみから一時も早く解放してあげたい!という強い気持ちから研究を重ね、たどり着いた改善法は「肌を強く育てること」。
薬で痒みを抑えるだけではなく、天然成分を使用した保湿クリームでアトピーを改善する「ATP-C・U・Eゲル」の開発に成功しました。
即効性の点ではステロイドに劣るものの、肌が生まれ変わるサイクルを整え、掻いても傷にならない強い皮膚を目指します。

連絡先電話番号:0120-419-034
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