環境について

森林浴をすると心が癒される理由を科学的に解明

IRORIO
更新日:2015/07/09

緑の中を散歩すると不思議と気持ちが落ち着いてくるもの。しかし、なぜ「緑」にそのような効果があるのかご存じだろうか?

その答えとなるような調査結果が先日、科学誌「PNAS」において発表された。

森林浴をすると反復思考が低下する

調査したのはスタンフォード大学の研究チーム。彼らは38人の男女に対し、ネガティブな反復思考の傾向について聞き取り調査を実施。その上で自然の中を散歩してもらったり、都会を歩いてもらったりして、脳の活動をスキャンした。

すると自然の中を散歩した場合、被験者の多くは反復思考が少なくなったと報告。脳をスキャンすると、前頭葉前部皮質の働きが弱まっていることが確認された。

行動を反省させる前頭葉前皮質

前頭葉前部皮質とは、認知行動の計画や人格の発現、適切な活動の調節に関わる部位で、対立する考えを区別し、行動で生じる結果を予測する役割を果たすと言われている。

この部分が、自己に焦点を当てて行動を振り返ったり、何度も反省したりと、繰り返し人を考え込ませてしまう。その度合がひどくなれば、精神の落ち込みが激しくなり、当然うつ病へも発展しかねない。

しかし今回の結果は、自然の中を散歩することで、脳が繰り広げる自己焦点型のネガティブな反復思考を和らげ、うつ病や精神疾患を軽減できる可能性があるとしている。

精神疾患を抱えているのは3億5000万人

World Health Organizationでは、うつ病などの精神疾患を抱えている人口は世界で約3億5千万人と推定。また全人口の約50.0%が都市化地域に住んでおり、2050年までに70.0%になると予想されている。

そのため街に緑化エリアを増やすことで、うつ病などの割合を減らすことができる可能性があるという。是非、このような結果を都市化問題に役立てていただきたい。

出典元:Nature experience reduces rumination and subgenual prefrontal cortex activation- PNAS(5/28)

■投稿者情報
芝皮フ科クリニック 院長
須階 富士雄

東京慈恵会医科大学皮膚科を経て町田市民病院勤務
1993年 プラクリティ皮膚研究所開設
1996年 芝皮フ科クリニック開院
専門:アトピー性皮膚炎 レーザー治療
- 日本皮膚科学会会員、日本温泉気候物理医学会会員

芝皮フ科クリニックには、様々な患者さんが来院しますが、何といっても多いのがアトピー性皮膚炎の方です。現場医療に携わる人間として、是非治してあげたい!
苦しみから一時も早く解放してあげたい!という強い気持ちから研究を重ね、たどり着いた改善法は「肌を強く育てること」。
薬で痒みを抑えるだけではなく、天然成分を使用した保湿クリームでアトピーを改善する「ATP-C・U・Eゲル」の開発に成功しました。
即効性の点ではステロイドに劣るものの、肌が生まれ変わるサイクルを整え、掻いても傷にならない強い皮膚を目指します。

連絡先電話番号:0120-419-034
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