生活習慣について

寝苦しい夏の夜、熟睡できていますか?

 

多くの人がまだ熟睡を妨げる習慣を持っているかもしれません。

今回は、照明が睡眠に与える影響と、熟睡できる環境を作る方法をご紹介します。

 

■これだけは外せないメラトニン分泌条件

(1)300ルクス以下の明るさ

宮崎総一朗氏の著書『脳に効く「睡眠学」』によると、

<300ルクス程度の光も、長時間浴びるとメラトニンの分泌の抑制につながる>

ということが最近の研究で分かってきたそうです。つまり、300ルクスの明るさよりも暗い環境がメラトニン分泌につながります。

(2)波長の長い暖色系の明かり

メラトニンの分泌を阻害しない光の特徴として、波長の長い赤や茶色などの色がオススメになります。つまり、寝る前には暖色系の色を意識することが大切なのです。

 

■豆電球ですら熟睡の妨げに?

身近な光源のルクス数はどのようになっているのでしょうか? なんとなくの明るさの違いは分かりますが、実際の数値を参考として記載しました。

コンビニ・・・およそ1,500ルクス以上(店舗によって誤差があります)

蛍光灯(リビング)・・・およそ500ルクス~700ルクス

豆電球・・・9ルクス

月明かり・・・0.1~0.3ルクス

また、奈良県立医大の研究によると、ほぼ真っ暗の中で寝ている人と、豆電球をつけて寝ている人とでは、豆電球の人は、肥満になる可能性が約2倍という結果に。原因として「豆電球の下では熟睡できないから」としています。

 

■光りをシャットダウンする唯一の方法

また、奈良女子大学の岡田・梁瀬両氏による「寝室の照明が睡眠経過におよぼす影響」という1981年の論文によると、深い眠りのノンレム睡眠にスムーズに入れて、熟睡できる最適な明るさは0.3ルクスということでした。つまり月明かり程度の真っ暗闇がベストということになります。

光を感じる網膜は、目を閉じていても光の刺激を受け取っています。かといって、真っ暗闇の中寝ることに抵抗がある人もいるでしょう。そんな時にオススメなのがアイマスクです。

アイマスクというと、オードリー・ヘッブバーン主演の『ティファニーで朝食を』や、海外ドラマ『ゴシップガール』でも見かけますが、実際使用している人は少ないのではないでしょうか? 熟睡が美人を作るというのを証明するかのように、スクリーンの中の美女たちも使用しているアイマスク。

 

いまいち熟睡できていないと感じている人は、ぜひアイマスクを試してみてはいかがでしょうか?

 

【参考】

※夜間の豆電球使用が肥満・脂質異常症のリスクになる可能性を示唆 – 奈良県立医科大学

※宮崎総一郎(2010)『脳に効く「睡眠学」』(角川SSコミュニュケーションズ)

■投稿者情報
芝皮フ科クリニック 院長
須階 富士雄

東京慈恵会医科大学皮膚科を経て町田市民病院勤務
1993年 プラクリティ皮膚研究所開設
1996年 芝皮フ科クリニック開院
専門:アトピー性皮膚炎 レーザー治療
- 日本皮膚科学会会員、日本温泉気候物理医学会会員

芝皮フ科クリニックには、様々な患者さんが来院しますが、何といっても多いのがアトピー性皮膚炎の方です。現場医療に携わる人間として、是非治してあげたい!
苦しみから一時も早く解放してあげたい!という強い気持ちから研究を重ね、たどり着いた改善法は「肌を強く育てること」。
薬で痒みを抑えるだけではなく、天然成分を使用した保湿クリームでアトピーを改善する「ATP-C・U・Eゲル」の開発に成功しました。
即効性の点ではステロイドに劣るものの、肌が生まれ変わるサイクルを整え、掻いても傷にならない強い皮膚を目指します。

連絡先電話番号:0120-419-034
ウェブサイト :http://www.shiba-clinic.com/